がん細胞の発見に貢献できる細胞検査士

医療系の資格は多様ですが、広く知られていない資格の1つに、細胞検査士があります。これは、日本臨床検査医学会と日本臨床細胞学会が認定している資格です。

細胞検査士は、細胞診専門医の指導の下で行う細胞診スクリーニング業務を実施する者で、臨床検査技師の上級職となります。
細胞診スクリーニングとは、人体から採取した細胞を標本にし染色した後に顕微鏡で観察して、がんなどの悪性細胞がないかを調べる作業です。がん細胞の発見に寄与しており、特に子宮頸がんの死亡率の減少に大きく役立っています。
もちろん婦人科領域だけでなく、歯科領域や外科領域、内科領域など全ての領域を取り扱います。

これらは、極めて正確で高度なスキルが求められる作業です。そのため、臨床検査技師の有資格者であれば、1年以上の細胞診検査実務経験を蓄積した人だけが受験資格を得られます。
学生から資格取得を目指す場合、細胞検査士養成所で所定の単位を修めるか、臨床検査技師か衛星検査技師の資格を取得してから細胞検査技師養成所に進学して所定の単位を修めるか、という2パターンの方法が挙げられます。

試験は一次試験と二次試験からなり、一次は筆記試験と細胞画像試験、二次は標本作製や顕微鏡検査の実技試験です。一次、二次共に合格率は50%程度とされており、民間資格の中では難易度の高い資格となっています。
また、二次試験に受からなかった場合、翌年の一次試験は免除されます。そして資格を取得した場合でも、4年に一度は決められた単位を修めなければなりません。